校内研の概要

1 研究主題

自ら学び,生き生きと学習に取り組む児童の育成

~一人一人を輝かす個に応じた指導の工夫~

2 主題設定の理由

(1)社会的背景から

 

 変革の時代である。21世紀は新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域で重要性を増す知識基盤社会の時代と言われている。子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中,21世紀を生きる子どもたちには,情報化やグローバル化など急激な社会変化の中でも,未来の作り手となるために必要な資質・能力を確実に備えていくことが求められる。平成23年度全面実施された現行学習指導要領においては,児童生徒に生きる力をはぐくむことを重視しており,確かな学力の育成には,基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等及び主体的に学習に取り組む態度等をはぐくむことが必要であるとしている。また,学習指導要領は今年度から先行実施が始まる。教師が学習指導要領を念頭に置き,自身の指導力を向上させていくことは必要なことだろう。

 「生きる力」をはぐくみ,めまぐるしく変化を続ける現代社会をたくましく生き抜こうとする児童をはぐくむことは,本校のめざす教育の姿と言える。よって「自ら学び,生き生きと学習に取り組む児童」を主題として設定した。

(2) 学校教育目標から

 

 本校の学校教育目標は,「心豊かでたくましく生きぬく丹波の子ども」である。

 めざす子ども像としては,自分の考えをもち,発表し,友だちの意見にも耳を傾け,自分の考えを主体的に築き上げていく「自ら学び創意工夫する子ども」,柔らかな感性と思いやりの心をもった「相手の立場に立って考え,行動できる子ども」,生命や健康の大切さに気付き,考えて行動することができる「楽しく運動に取り組み,健康で安全な生活ができる子ども」,地域を愛し,自然を大切にすることのできる「ふる里を愛する子ども」を掲げている。

 これら知・徳・体の調和のとれた生きる力を身に付けた児童と郷土を愛する心の育成をめざした本校の教育目標は,研究主題「自ら学び,生き生きと学習に取り組む児童」の姿ととらえることができる。

(3)児童の実態から

 本校は,全校14名という小規模校である。今年度からは山村留学の児童が多くを占め,考え方や児童の実態も多様である。児童は明るく素直で,何事にも真面目に取り組んでいる。少人数であるため,異学年合同授業や縦割り班活動など,学年の枠をこえた活動が多く,互いに助け合ったり励まし合ったりする優しい心を随所に見ることができる。また,学級活動や諸行事等,普段から少ない人数で運営を行っているため,進んで考え行動する様子が見られている。まじめでよく働き,上級生は下級生の面倒をよく見てあげ,下級生は上級生を手本として活動し,よりよい風土の中で活動している。学習面では,少人数ということもあり,教師が児童一人ひとりの実態に合ったきめ細やかな指導を行い,児童全員が主体的に参加する授業の工夫ができる環境にある。意欲的に授業に取り組み,自分の考えを積極的に表現する姿勢が育ってきている。しかし,児童の中には困難を抱えながらも学習に取り組む児童もいる。近年児童の実態は多様化しており,それは本校でも言えることである。これまで以上に,個に応じた指導をしていくことが求められる。本校で学び,育つ中で,めまぐるしく変化する社会にも対応していけるように,確かな学力・健やかな体・豊かな心をバランスよく身に付けていってもらいたい。

3 副題設定の理由

(1)児童が安心して生き生きと学ぶことのできる環境づくり

 児童の実態にもあるように,教師が児童一人一人の実態に合ったきめ細やかな指導を行い,児童全員が主体的に参加する授業の工夫ができる環境にあること,また意欲的に授業に取り組み,自分の考えを積極的に表現する姿勢が育ってきている。しかし,児童の中には,一斉授業の中では学習できないことや,疑問に思ったことを発言できないなど様々な困難を抱えながら学習をしている。児童がどの学習においても生き生きと学べること,「できた」「わかった」と学習の中で感じることができるように児童一人一人に応じた指導が必要である。また視覚化や学級掲示,児童が安心して学習に取り組むことのできる環境をつくることが求められる。

(2)本校における現状と課題
 

・一人一人が役割を持っており,主体的に行動しなければいけない場面は多く存在する。しかし,教師の反応を待っ ていたり,まわりの友だちの意見に合わせようとしたりする姿も見られる。全体に対する言葉がけを自分ごとと認識することができない場面も見られる。

・自分の考えを簡単に伝えることはでき,自分が発言しなくてはいけないという気持ちも持っているが,なぜそう思うのか,どういった経緯があるのかなど,筋道立てて話をすることが難しい児童もいる。

・集団での学習の中では,困難な児童もいる。その児童にあった学習の進め方や取り組み方が必要となる。

(3)本校における情報通信技術(ICT)の利活用の経緯

 各方面でICTの積極的な利活用が叫ばれている。ICTの利活用は「情報活用能力」をはぐくむことをめざし,本校ではタブレット端末を中心に積極的に取り入れてきた。情報活用能力をはぐくむ目的は,次に示す。

情報活用能力をはぐくむことは,必要な情報を主体的に収集・判断・処理・編集・創造・表現し,発信・伝達できる能力をはぐくむことである。これは,基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着とともに,知識・技能を活用して行う言語活動の基盤となるものであり,「生きる力」の育成に資するものである。

(学びのイノベーション事業 実証研究報告書 文部科学省より抜粋)

 情報活用能力が言語活動の基盤となり,生きる力の育成に資することをふまえると,ICTの効果的な利活用が,児童の思考力・判断力・表現力等をはぐくむことにつながることが言える。

 本校は小規模校であるため,一人ひとりのことを深く理解し,個に応じた指導や支援を行えるという点で非常に恵まれた教育環境にある。一昨年度からの本校の研究では,目の前の児童とかかわる中で,教科・単元の目標を明確に設定し,ICTを有効に活用した学習計画を考え,実際に授業に取り入れてきた。その際,前述した「情報活用能力」をはぐくむことに焦点を当て,目的を明確にした言語活動を各教科・領域でより豊かに展開できるように創意工夫を重ねてきた。本年度も,これまでの研究で培ってきたICTの利活用のあり方を授業の目標に合わせて適切に取り入れていくことを意識したい。

 

 

4 研究仮説

 児童の興味や疑問を基に,個に応じた指導の工夫を取り入れることで児童の主体的に学ぶ姿勢が育つであろう。

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