校内研の概要

1 研究主題

自ら学び,生き生きと学習に取り組む児童の育成

~地域に視点を当てた学習活動を通して~

2 主題設定の理由

(1)社会的背景から

 

 変革の時代である。21世紀は新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域で重要性を増す知識基盤社会の時代と言われている。その中で,かつてないスピードで進行している少子高齢化や家族形態の変化に伴う地域のつながりの希薄化が問題となっている。平成23年度全面実施された現行学習指導要領においては,児童生徒に生きる力をはぐくむことを重視しており,確かな学力の育成には,基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等及び主体的に学習に取り組む態度等をはぐくむことが必要であるとしている。また,学習指導要領は今年度から先行実施が始まる。教師が学習指導要領を念頭に置き,自身の指導力を向上させていくことは必要なことだろう。教育基本法では,「伝統と文化を尊重し,それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに,進んで外国の文化の理解を通じて他国を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が記されている。そのため,学校教育においては,児童に郷土に対する愛着や認識を深めさせ,郷土を愛する心や態度をはぐくむことが大切である。

 そこで,本研究では,他の地域から来た山村留学生をふくめ,丹波山村で学ぶ児童が丹波山村をふる里として誇りを持つために,地域について学び理解を深める場を確保することが必要だと考えた。古くから受け継がれてきた伝統や文化を継承していくためにも,教師が地域の伝統や文化を学び,知識・理解を深め,地域と協力して丹波山村という郷土に関する教育を充実させることをねらいとした。

 地域から自ら学び、めまぐるしく変化を続ける現代社会をたくましく生き抜こうとする児童をはぐくむことは,本校のめざす教育の姿と言える。よって「自ら学び,生き生きと学習に取り組む児童」を主題として設定した。

(2) 学校教育目標から

 

 本校の学校教育目標は,「心豊かでたくましく生きぬく丹波の子ども」である。

 めざす子ども像としては,自分の考えをもち,発表し,友だちの意見にも耳を傾け,自分の考えを主体的に築き上げていく「自ら学び創意工夫する子ども」,柔らかな感性と思いやりの心をもった「相手の立場に立って考え,行動できる子ども」,生命や健康の大切さに気付き,考えて行動することができる「楽しく運動に取り組み,健康で安全な生活ができる子ども」,地域を愛し,自然を大切にすることのできる「ふる里を愛する子ども」を掲げている。

 これら知・徳・体の調和のとれた生きる力を身に付けた児童と郷土を愛する心の育成をめざした本校の教育目標は,研究主題「自ら学び,生き生きと学習に取り組む児童」の姿ととらえることができる。

(3)地域の実態から

 

 丹波山村では教育の充実・向上を促進するために,山村留学生を受入れ,地域の児童生徒と共に健全な育成を図っている。本校においては,ささら獅子舞やまいたけの栽培等,地域に伝わる伝統や文化について体験的な学習を取り入れている。しかし,児童の郷土に関する関心を十分に高められているとは言えない。その原因として,丹波山村の人口は年々減少し,丹波山村の伝統や文化を知っている人が少なく,伝統や文化を伝える場も減ってきている事が挙げられる。また,この地域に勤務する教職員の特質も現状の一つである。本校では僻地勤務で赴任する教員が多く,2年から3年という短い勤務期間がほとんどである。そのため,地域の伝統や文化について知識が浅く,郷土についての指導が十分だとはいえない。

(4)児童の実態から

 

 本校は,全校11名という小規模校である。山村留学の児童が多くを占め,考え方や児童の実態も多様である。児童は明るく素直で,何事にも真面目に取り組んでいる。少人数であるため,異学年合同授業や縦割り班活動など,学年の枠をこえた活動が多く,互いに助け合ったり励まし合ったりする優しい心を随所に見ることができる。まじめでよく働き,上級生は下級生の面倒をよく見てあげ,下級生は上級生を手本として活動し,よりよい風土の中で活動している。しかし,児童の中には,伝統行事への参加に意欲的出ない人や郷土への関心が低い人もいるのが現状である。その原因として,地域に関する知識の低さや愛着に欠けることが挙げられる。

 丹波山村には中学校までしかなく,義務教育後は他の地域へと移る人がほとんどである。地域について知識や理解を深めることで,ふる里に関心や愛着を持ち,地域を愛した,広い視野を持ったグローバルな人材育成へと繋がる。本校で学び,育つ中で,めまぐるしく変化する社会にも対応していけるように, ふる里に関心や愛着を持ち,多様な文化を認める心を養ってもらいたい。

3 研究の目標

 教職員の地域に対する理解を深め,地域に視点を当てた学習を充実させることで,郷土への愛着や誇りを持った児童の育成を目指す。

 

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