ヤマメ成長日記#2

ヤマメ成長日記#2 11/16(35日目) うごく卵 発眼卵(はつがんらん)

yamame20171025_30

 「うごく卵」のようすを”Time laps”(タイムラプス)撮影しました。
元気のいい「卵」は見つかりましたか??

ヤマメ成長日記#2 11/13(32日目) 積算水温:約400℃ 孵化(ふか)

 27日目をむかえ,積算水温も350℃をこえました。
眼もはっきりとして,「卵のう」(えいようのふくろ)も黄色くなってきました。中では,くるくると回っています。元気に生きているようすがわかります。

 

 32日目,積算水温も400℃になり,少しずつ「孵化(ふか)」が始まりました。
 体長は,1.8㎝くらい。6㎜の卵から,18㎜の稚魚(ちぎょ)が生まれました。去年も見たように,稚魚はしっぽ(尾ビレ)から出てくるんですね。
眼や口,血管やひれのようすもはっきりとわかります。心臓(しんぞう)もドクドク動いているのが見えます。やはり目を引くのは「卵のう」です。黄色い大きなふくろみたいです。稚魚は,まだエサを食べることができません。エサを食べられる大きさに成長するまでのえいようが「卵のう」です。私たち人間も,お母さんのお腹の中にいるときには食べることができないので,お母さんの体から血管をとおしてえいようをもらっています。生まれてからも,ご飯が食べられるようになるまでは,お母さんの母乳やミルクだけで育ちますね。ヤマメは,卵のうがなくなるころになるとエサを食べることができます。それまでは,水のそこでチョロチョロしているだけで,まだ泳ぐことはしません。おたまじゃくしみたいですね。

ヤマメ成長日記#2 10/31(19日目) 積算水温:約250℃

 受精後(じゅせいご)19日目をむかえ,ヤマメの卵(たまご)たちにも変化(へんか)が見られるようになりました。
ここ1週間(しゅうかん)ほどは,台風(たいふう)や秋雨(あきさめ)のせいか,気温(きおん)が低(ひく)く,水温(すいおん)も13℃ほどで落ち着いています。

 よく見ると,水そうの上からでも黒い「眼(め)」とほんのり赤い「血管(けっかん)」が確認(かくにん)できます。
 受精卵(じゅせいらん)の大きさは6㎜ていど,あと1週間(しゅうかん)ほどで,しっかりとした「発眼卵(はつがんらん)」へと成長(せいちょう)します。

 4年生の保護者(ほごしゃ)の方が,この1週間の受精卵(じゅせいらん)の様子(ようす)を”Time laps”(タイムラプス:インターバル動画,微速度撮影)で撮影(さつえい)してくれました。夜は,さすがに光量不足(こうりょうぶそく)でむりでしたが,昼間(ひるま)はしっかりと写(うつ)っていました。すると,元気な卵は,中でくるくる回っていたり,卵そのものがころがったりしていました。「生きてる」ということが,しっかりとわかります。

 さあ,あと100℃くらいで「孵化(ふか)」をはじめます。きっと11月10日あたりがピークとなりそうです。(また,来週1週間,Time laps撮影をためします)
”目指せ,精算水温350℃”・・・子供たちの「氷」が頼りです。

ヤマメ成長日記#2 目標①:「積算水温350℃を目指す」8日目 積算水温:121

 雨天が続き気温が低いせいか,みんなが氷をたくさん持ってきているせいか,水温も12~13℃と低く安定しています。1週間で積算水温100℃をこえ,あと2週間ほどで発眼(はつがん),そしてふ化までいきそうです。今年も,みんなは「5つのKeyワード」を守って毎日観察をしています。

 

①氷のしずくで,きれいな水
 保つ
②氷のしずくで,水温(16℃
 以下)を保つ
(紫外線)を当てない
振動(しんどう)をあたえない
⑤小さな命を大切にする心

〈ヤマメを絞った時の感想〉~お母さんたち~
◆命の誕生に立ち会えて嬉しかったです。元気な稚魚になって,また丹波川を泳ぐ姿が見たいです。お父さんお母さんヤマメ,お疲れ様でした。命は,しっかりとつながりましたよ。
◆命の誕生について,リアルに学べてよかった。命を大切にすること,自然を守ること,・・・何か感じ取ってくれたらいいなあと思います。(魚を生臭くなく食べられる方法を知りたいです)
◆ヤマメの卵をはじめて見て,とてもきれいで驚きました。貴重な体験ができて,よかったです。
◆初めてで,二度とない貴重な体験でした。何かを飼ったりすることはあっても,子供たちが実際に命の誕生を手助けしたことは,一生忘れない体験になったと思います。
◆産卵,受精して稚魚が生まれて・・・といいうことは知識としては持っていたはずですが,「ヤマメと言えば・・・?」と聞かれて,連想するのは塩焼き程度しか思いつきませんでした。しかし,卵や受精の様子,そして受精卵と無精卵の違いを目の当たりにしたことで,今後はもう少しちがう言葉を連想できそうです。貴重な機会でした。

〈ヤマメを育てながら調べたいこと〉~児童たち~
◆ヤマメの生態(せいたい)について
 ・体の形,ひれ,模様(パーマーク),泳ぎ方,ライフサイクル
 ・命って何なのかについて
◆ヤマメと自然とのかかわりについて
 ・丹波山村の自然,川の水のきれいさ,川の水温
 ・丹波川にすんでいる魚
◆ヤマメと人間とのかかわりについて
 ・名前の由来(山女) ・つり ・料理(おいしい食べ方)
 ・ヤマメと人との歴史

ヤマメ成長日記#2 採卵と受精(命の誕生) 1日目 積算水温:17℃

 今年もヤマメの命を誕生させる季節が来ました。
 今回は,昨年丹波小で誕生させ,夏の間養魚場で育てていただいたオスのヤマメを絞りました。(メスは,卵の熟成の関係で2年目のヤマメを使いました)
「うわー,すごい!!」 子供たちは,お腹から絞り出される卵に興味津々です。「黄色いイクラみたい」初めて見る1年生や3年生は,ザルにたまっていく卵に釘付けです。5・6年生の3名がメスの卵をしぼり,1・3・4年生と参観に来られたお母さんの9名がオスの精子を絞り出しました。
 精子をかけた黄色い卵は,川の水が張られると数分で受精しました。命の誕生です。その瞬間,受精膜でおおわれると黄色の輝きは,より鮮やかになり,机上に落とすとボールのように弾むくらい強くなります。今回誕生した命は,約1800。受精できなかった卵は,たったの1つでした。この1800の命は昨年育てたヤマメから引き継いだ生命です。さあ,この1800の命をみんなはどう育てていき,何を学び,どんなことを考えていくでしょうか。
  
  

  
  

 

「子供たちが出会う事実の一つ一つが,やがて知識や知恵を生み出す種子となる。子供たちの経験や学習体験で得る様々な情緒や豊かな感受性は,その種子を育む肥沃な土壌である。子供時代は,まさにこの土壌を耕す時期であるため,自然の豊かな恵みを享受できる体験が必要なのである。」
       ~レイチェル・カールソン(海洋生物学者)~

▲ページの先頭へ