教育相談

スクールカウンセラーの紹介   2019.04.12

スクールカウンセラー紹介

 

 

スクールカウンセラー 山﨑先生のコラム ーTabapedia

 平成27年5月12日(火)   【アディクション】

 アディクションとは、日本語で嗜癖(しへき)と言います。簡単に言うと、「やめたくてもやめられない習慣」となります。またその程度は、比較的軽い「分かっちゃいるけどやめられない」ものから非常に重たい「やっていないと落ち着かない、やめようとすると心配・不安でられない(依存)」ものまで含まれます。そして、その対象になるものも様々です。薬物・アルコール・タバコ・インターネット(携帯・スマホ)・ゲーム・ギャンブル・買い物・仕事や人間関係などがあげられます。

 「あれ?」と思いませんか?どれも元々は楽しむもの、必要なもの。そして誰にでも起こり得ること。それが、ある一線を越えてしまうと、「あらあら困ったことに…。」これが「アディクション(嗜癖)」の厄介なところです。

 アディクションを起こさないためには、どの様にその大切な対象と末永く付き合っていくか?が、カギになります。さもないと、自分の人生から大切なものを切り離す、または取り上げないといけなくなるからです。どんなものにも付き合い方が大事だと言うことですね。

 

平成27年5月27日(水)   【フィトンチッド】

 フィトンチッドとは、「フィトン(植物)」と「チッド(殺す)」を表す単語を組み合わせた造語で、樹木が自らを守るために発する揮発性の物質です。私たちも森の中に入って「木の香」として感じることが出来ます。丹波山にも沢山ありますね。これは清々しい香だけでなく、防菌・防虫 効果、空気を浄化・消臭するなどの働きもあります。スギやヒノキで作られ、伝統工芸品でもある「曲げわっぱ」は、フィトンチッドのお蔭でご飯も傷みにくくなっています。先人達の知恵ですね。

 フィトンチッドの効果はこれだけではありません。森林浴に代表される様にリラックス効果もその一つです。
血圧を下げたり、心拍を整えたり、ストレスホルモンを減らしたり…。いやいや、まだまだありますよ。リラックスするだけでなく、α波(脳波の一種)を多く出させるなど集中力を増し、発想を豊かにします。          
 

いやぁ、丹波山では生活しながら癒やされるのですね。幸せだなぁ。また、よい時期(フィトンチッドは、6月から8月が最も多くなります。)に全校登山がありますね。いつも以上にフィトンチッドを味わってみて下さい。頭がさえるかもしれません。

 

平成27年7月22日(水)   【忘却と記憶①】

 「20分後には42%を忘却し、1時間後には56%を忘却し、1日後には74%を忘却し、1週間後には77%を忘却し、1ヶ月後には79%を忘却する」。えぇっ、20分で42%も忘れてしまうの?これは、エピングハウスの忘却曲線(fig.1)と言われるもので、人が記憶したモノを時間経過と共に忘れていく過程を表したグラフです。

「どうせすぐ忘れてしまうなら、覚えても意味ないじゃん」と、思う人 もいるかも知れませんね。でも、この忘却曲線を緩やかにすることは出来ます。それには、今更ですが復習や反復することです。それも効果的に!

 理論的には、完全に忘れていない、記憶がよみがえりやすい時に復習すればよいと言うことになります。それも、サラッと目を通す、つぶやく程度の音読でも効果があります。すると前よりも忘れるスピードも緩やかになります。理想を言うと、学習したものの ①1時間後に復習、②寝る前に復習、③起きてから復習、④1週間後に復習、⑤1ヶ月後に復習すると効率がよいと言うことになります。けっ、けっこう大変…。嫌になると長続きしませんから。とりあえず、①から③をおススメします。次回は、より効果的な記憶の仕方についてお話します。

 

平成27年12月25日(金)  【忘却と記憶②】

 今回は、より効率のよい記憶の仕方について話をします。 エピングハウスの実験と私たちが普段行っている記憶には、少し違いがあります。エピングハウスの実験では、意味の持たない単語などを覚えさせます。対して、私たちの日常生活の中では、意味のないものでも意味づけしたり、分解したり、小分けにしたり、語呂合わせすることで効率よく記憶をする工夫をしています。元素記号覚え方や歴史年号、漢字の“へん”や“つくり”、英単語の分解、数字の羅列を小分け(*マジックナンバー5±2)にしたり。リズムや音に合わせたりと色々な工夫をしています。H He Li Be B C N O F Ne → ”水兵のリーベー(恋人)は僕の船”、794年→ ”鳴くよウグイス平安京”などなど。これらの工夫が記憶を定着させ、忘れるのを緩やかにしてくれます。また、思い出す手掛かりをたくさん作っておくことが重要です。ただひたすら書いて聞いて憶えるのもよいですが、身体を動かしながら、好みの香りを嗅ぎながら、スルメを噛みながらなどの他の動作と結びつける**「…ながら」記憶術も効果ありです。みなさんも色々と工夫をして、自分に合った効率のよい記憶法を見つけて下さい。

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*3~7の間の数の塊で憶えると憶え易いと言われています。電話番号、郵便番号(0428-88-××××)など。

**ただし、「見ながら」、「聴きながら」は要注意!気が散り集中できないことも起こりやすいです。

平成28年5月9日(月) 【コミュニケーションのコツ】  

 新生活がスタートしました。出会いの季節。学校でも新たな出会いがあるかも知れませんね。でも,人見知りや人付き合いが苦手な人もいるかも知れません。「うまく友達ができるかな?」「グループに入れるかな?」など,期待より不安の方が大きい人もいるかも知れませんね。

 そこで,今回は新しい人間関係を築くためのコミュニケーションのコツを紹介します。 

 まずは,「がんばり過ぎない」ということ。人間関係は時間をかけて作られていくもので,一朝一夕に築けるものではありません。人間関係で親近感を増すには,会話をする時間や頻度を増やす必要があります。交わす言葉の量と親近感の関係は心理学でも証明されています。実験でも,「うん」「ハイ」の様な短いメッセージのやり取りよりも,「私はこう思う、あなたはどう思う?」「ありがとう。助かったよ」(意見・質問・感謝)などを含む比較的長いメッセージを伝える者同士の方がより親近感を感じるという結果がでました。このように,交換したメッセージの量と,親密さはきれいに比例します。

 ですから,簡単な挨拶から始めましょう!
 会った時「おはよう」「こんにちは」や別れるとき「さようなら」と,たくさん挨拶が交わされる日常はとても心地よく,親近感も増していきます。そんな挨拶のポイントは,「あ」明るくさわやかに,「い」いつもどんな状況でも,「さ」先に自分から,「つ」続ける(継続する)ことです。

 

平成28年6月16日(木) 【緊張と弛緩①】

 「上手く話せなかった」,「頭が真っ白になった」,「体が思い通りに動かなかった」など,緊張し過ぎると起こる”あるある”について話します。皆さんも大事な場面で緊張し過ぎて思い通りにいかなかった経験はありませんか?

 “緊張”は悪いことばかりではありません。適度な緊張は、集中力や判断力を高め、ミスを軽減しパフォーマンスを上げる効果があります。適度な緊張感を保つには、時間制限を設けて勉強する。試験や試合であれば、その時間だけ緊張感を保つ時間設定をする。また、学習であれば学習環境を整える(机周りの整理、余計なものを視界に入れない)。スポーツであれば雑念を追い払う(競技の前に音楽を聴き、自分の世界に入る)ということも大事です。

 上がり過ぎた緊張を下げるには、身体と意識にアプローチすることが必要です。身体へのアプローチは深呼吸をすることです。特に、息を吐く方に意識することが効果的です。鼻から大きく息を吸い、口をすぼめて「ふーっ」とゆっくり息を吐きます。

 次に、意識へのアプローチは、結果ではなくプロセスを考えることです。人は考えない様にすることは苦手です。考えない様にすればするほど、意識が高まり緊張を強めてしまいます。大事なのは意識しないと言うことでなく、意識する内容です。例えば、スポーツでいえば、”勝ち、負け”ではなく“ボールの軌道”や“腕の振り方”、“筋肉の動かし方”を意識することで、適度な緊張感を保ち最高のパフォーマンスを引き出すことができます。みなさんも緊張を上手にコントロールしてポテンシャルを引き出しましょう。 

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