校内研究の概要

令和2年度 校内研究の概要

令和2年度 校内研究の概要

令和元年度 校内研究の概要

研究主題

「基礎的・基本的な知識・技能を基盤とした主体的に学ぶ生徒の育成」

  ~個に応じた指導方法の工夫・改善を通して~

 

■主題設定の理由

 本校は「心身ともに健康で 学び続ける人,思いやる人,やり通す人」を学校教育目標に掲げ,教育活動全体を通して生徒の健全な成長を目指している。小規模校であるがゆえに生徒一人当たりの負担はかなり大きいものがある。しかし,その分年間を通じて活躍する機会もあり,前向きに生き生きと活動している姿をさまざまな場面で目にすることができる。

 その一方で,幼いころから多くの大人たちに関心を持たれ,愛情たっぷりに大切に育てられてきており,自分の意思を伝えるにも多くの言葉を媒介としない方法が身についてしまうことや,自主的に考え行動する事ができず,“指示待ち”になっていることも多い。

 学習面においては,どの生徒も授業に真面目に取り組んではいる。しかしながら,各種アンケートや学習課題の提出状況,「まなBOOK」等の記録からは,帰宅後の時間の過ごし方や家庭学習に課題のあることが読み取れる。「まなびTIME」を使っての学習支援には限界があり,授業と並行して家庭学習の習慣化の手立てを図っていく必要性を感じる。

 生活面においては,全般的に明るく落ち着いている。年間を通して教師と生徒全員が一体となって活動する機会が多く,結びつきが強いため,生徒は教師を信頼し,さまざまな悩みを相談しやすい環境にある。校内はもとより,校外での活動の様子も積極的に話題に挙げることができる。反面,人間関係は固定的で範囲が狭く,トラブルがあっても逃げ場が無いため,我慢を重ねてストレスを内面にため込む傾向がある。またそのようなトラブルについての対処の仕方も学ぶ機会が少ない。生徒の現状をよく把握し,個に応じた指導をする必要がある。また,新1年生は中学校生活への期待感が大きい反面,小学校とは違う学習環境に不安を抱いている。小学校生活からの様々な変化に伴い,体力的にも精神的にもハードになる。「中1ギャップ」の克服のためにも,細やかな配慮が必要な時期である。

 高校進学に関しては,本地区の地理的状況から生徒たちは自宅外通学を余儀なくされる場合が多いが,松姫トンネルができたことや,上野原高校へ通学する生徒もいて,通学の選択肢も増えた。平成28年度から村でも高校進学に関し,通学補助や住居費の補助を出してくれている。ただ,進学後は丹波山村での手厚い対応の生活から変わり,大人数での授業や活動となり,心身ともに自立することが要求されてくる。

 私たち教師は少人数だからこその利点を生かし,授業やその他の活動において生徒一人ひとりの思考,行動を見取り,個性を伸長させつつ,社会生活の中で必要な能力を身につけさせていかなくてはならない。そのために,丹波中学校の特色であるICT機器の活用を促進し,授業で学習する基礎的・基本的な知識・技能を定着させること,さらにその知識・技能を活用していく力を育てていくことが不可欠である。これらを踏まえ,指導方法の工夫の研究を継続していきたい。  

 本校校内研では,昨年から研究主題を,『基礎的・基本的な知識・技能の定着のための指導方法の工夫』として,研究を重ね,年ごと具体的にテーマを絞り,昨年度は「個を生かし,個に応じた指導法の工夫を通して」として研究を進めてきた。また,本校や丹波山村小菅村の特徴であるICT機器を用いた研究を深める,「ICT機器を利用した,基礎学力の定着と,それらを活用する力の育成」にも力を入れ,丹菅教協をはじめ,村内外に提案できるように,授業において活用する工夫や利用方法も研究している。

 本校の生徒は一様に文章を読み取ることや内容を把握することや,長文や文章題に対応する力を身につける必要があり,「伝える」「説明する」「発表する」など整理して考える事も苦手である。そこで本年度は,今まで培ってきた「基礎的・基本的な知識・技能の習得」と「知識・技能を活用できる力の育成」,「ICT機器の活用の有効利用」を礎に「授業の工夫」や「日常の取り組み」を中心に据えて研究を進めていきたい。また,課題であった家庭学習の工夫についても研究していきたい。

 以上の理由から,研究主題を設定した。

 

■研究目標

  1. 各教科において発達段階に応じて,生徒につけたい力を明らかにし,指導方法を工夫する。
  2. 基礎的・基本的な知識や技能を習得し,それらを活用して考え,判断し,表現できる生徒の能力の育成を図る。
  3. 言語活動を通して,「情報の収集・分析」,「解釈・理解」,「熟考・判断」,「表現」の力の育成を図る。

 

■研究仮説

  授業や学習活動において,((1)研究の場)

  個に応じた学習方法の工夫・改善を図り,学習内容と家庭学習をつなげていけば,((2)研究内容)

  基礎的・基本的な知識・技能の定着と,それらを活用する力を持った生徒を育成できるであろう。((3)期待する結果)

 

■研究によってめざす生徒像

(1)基礎的・基本的な知識・技能を身につけた生徒
(2)身につけた知識・技能を活用しようとする生徒
(3)目的を持って知識・技能を活用し,課題解決ができる生徒

 

■研究の目標

(1)各教科において発達段階に応じて,生徒につけたい力を明らかにし,指導方法を工夫する。
(2)基礎的・基本的な知識や技能を習得し,それらを活用して考え,判断し,表現できる生徒の能力の育成。
 上記について,「個に応じた指導」を関連させながら研究を進める。

 

■研究の内容と具体的な方法

(1)生活および学力の実態を把握し,個に応じた適切な指導に生かす。

  1. CRTを行い生徒の実態を把握する。「学習のあゆみ」の活用。
  2. 各種検査・定期試験等の結果を分析し,今後の指導の「必要性」と「具体的な方法」を明確にし,職員全体で共有する。
  3. やまなしスタンダードを意識した授業づくりを心がける。各教室に「今日の目標」,「ポイント」,「今日のポイント」の3つを用意し,活用する。

  4. 授業内容の定着を促す家庭学習(宿題)の支援・指導(各授業で宿題を含めた家庭学習の支援や指導。各学年で目標を設定し,実施する。)

(2)生徒が思考力・判断力・表現力を付ける授業を工夫し,焦点をあてた授業づくりを行う。

1. iPadなどのICT機器活用を含め,学習意欲や知的好奇心を喚起する発問や課題を工夫する。

 2. それぞれの教科で「基礎学力の定着,知識・技能を活用できる力を育むための工夫」について明らかにし,授        業の中で効果的に指導する。

3. 生徒の書いたものや発言を残し,活動を見取ることができるワークシート等を取り入れる。

4. 研究授業や年間2回程度「見せ合い授業」をそれぞれ行う。他教科等を参観し,参観記録用紙をもとに教員同
        士が学び合う。(時間がある場合定例研究会で研究討議を行う。)また指導案はA4で1枚程度の略案でよい 

5. 各教科の研究計画に沿った研究授業を行い,研究会には指導主事等を招聘し指導・助言を仰ぐ。

6. 教員の講師を招いての学習会,研修会を行う。

(3)学習ガイダンス機能の充実を図り,個に応じた指導に生かす。

  1. 「まなBOOK」の改善・活用を通して,学習習慣,生活習慣について指導を行う。
  2. 「まなびTIME」を利用し,個々の学習状況の把握及び個に応じた指導を行う。
  3.  まなBOOK」から家庭学習の様子を把握し,個々に応じた支援を行う。
  4.  一人一人の学習習慣,生活習慣の課題を教職員が共通理解をし,具体的な指導を組織的に行う。

(4)地域に根ざした総合的な学習の時間を実施し,課題解決学習を通した「思考力・判断力・表現力」の育成を図
      る。

  1. 生徒同士や地域人材との交流を通して,自分自身の考えを深めるとともに郷土理解に努め郷土愛を育む。
  2. 体験的な学習を取り入れることで課題解決の方策を探り,「ふるさと丹波山」への理解を深める。
  3. 調べ学習のまとめや発表会を通して,外部へ発信する力を養う。

 

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